
リモートワークが定着し、私たちの働き方は大きく変化しました。
同じ場所で働くことが減り、オンラインでのやり取りが中心となった今、「伝える力」がこれまで以上に求められています。
リモートワーク・非対面の場面が増えた事がもたらした一番の変化は、「文章を書いて相手とコミュニケーションをする機会が圧倒的に増えたこと」なのではないでしょうか。
特に、文字によるコミュニケーションが増えたことで、文章力=信頼力といえる時代になりました。
この記事では、リモート環境で信頼とエンゲージメントを高めるための「伝わる文章設計」について解説いたします。
◆目次
- リモート環境では「文章」が信頼の顔になる
- 「伝わる文章」はチームの生産性とエンゲージメントを高める
- 信頼を生む文章設計の3つの原則
- まとめ:文章力は「距離を埋める技術」であり「信頼を築く力」につながる
1.リモート環境では「文章」が信頼の顔になる
1-1.対面で伝わっていた“言外の情報”が消えたからこそ、言葉が印象を決める

これまでの職場では、声のトーンや表情、仕草など、非言語の情報が信頼構築に大きく作用していましたが、リモートワークの場合、チャットやメール中心のコミュニケーションになるため、これらの要素がほとんど伝わりません。そのため、リモート環境では、文章=周りからの印象に直結します。メールの一文、チャットの一言、提案書の段落など、文章の精度や配慮の有無が、そのまま信頼の尺度となるのです。
1-2.「文章の質」が“仕事の質”として見られてしまう
非対面のやり取りでは、相手の人柄や誠実さを判断する材料が限られてしまいます。限られた中で唯一、読み手が確認できるのが、“書かれた言葉”です。
誤字脱字や曖昧な表現、返信のテンポなどから、慎重さ・思慮深さ・想像力が判断されてしまいます。
言い換えれば、丁寧で正確な文章を書ける人ほど、信頼されやすく、成果を上げやすいといえます。
2.「伝わる文章」はチームの生産性とエンゲージメントを高める

2-1.コミュニケーションの目的=「正しく・速く伝わる」こと
ビジネスの現場では、情報共有や意思決定のスピードが成果を左右します。そのために必要なのが、“一読で意図が伝わる文章”です。
曖昧な表現や情報の抜け漏れがあると、何度も確認が必要になり、チーム全体の生産性が低下してしまいます。
反対に、読み手がすぐに行動に移せる明快な文章は、業務の効率化に直結します。
2-2.伝わる文章のポイント
リモート環境では、「いかにわかりやすく伝えるか」が成果を左右します。
また、伝わる文章にはいくつかの共通点があり、以下の5つのポイントを意識することで、読み手に負担をかけず、意図が的確に伝わる文章に近づけることができます。
1.結論を冒頭で述べる(PREP法が有効)
ビジネスの文章では、結論を最初に伝えることが基本です。
“何を伝えたいのか”を冒頭で明示することで、相手は全体像をつかみやすくなり、その後に続く説明も理解しやすくなります。
このとき役立つのが「PREP法」です。「PREP法」は、Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(再結論)の頭文字から取った方法でこの流れで構成をすることで、短時間で要旨を把握してもらえる文章になります。
2.一文を短く、句読点を適度に入れる
長い文章は、読み手の理解を妨げる原因になります。
特にオンラインでは、スマートフォンなど小さな画面で読まれるケースも多いため、一文は60文字以内を目安に区切りましょう。
また、適切な位置に句読点を入れることで、文章にリズムが生まれ、読みやすさが格段に向上します。
3.相手の知識レベルに合わせて表現を調整する
専門用語やカタカナ語を多用すると、相手が理解に時間がかかってしまうことがあります。円滑なコミュニケーションのためには、相手の立場や知識レベルを意識し、「誰が読んでもわかる言葉」に言い換えることが大切です。
たとえば「アジェンダ」ではなく「議題」、「リソース」ではなく「人員・時間」とするなど、読み手に合わせて表現を調整することで、誤解や認識のズレを防ぐことができます。
4.改行や空白を活用し、読みやすいレイアウトにする
文章が詰まっているだけで、読む前から“負担感”を覚える人は少なくありません。適度な改行や空白、箇条書きを取り入れることで、視覚的にも整理された印象を与えることができます。
見やすさは「配慮の表れ」であり、読み手への思いやりそのものですので、内容の整理と同時に、見た目の読みやすさも意識すると良いでしょう。
5.「次に何をしてほしいか」を明確に示す
ビジネスの文章は、最終的に「相手に行動を促す」ことが目的です。報告書なら「確認をお願いします」、依頼メールなら「〇日までにご返信ください」など、相手が次に何をすべきかを具体的に伝えるとスムーズです。
依頼の目的が明確であればあるほど、相手も動きやすく、業務のスピードと精度の向上につながります。
文章は情報伝達の手段であると同時に、思考を整理するためのツールです。読みやすく筋の通った文章を書くことで、一貫性が信頼にもつながるだけでなく、文章が整えられることで“思考の整え方”につながり、結果的に信頼を生むことができます。
3.信頼を生む文章設計の3つの原則

3-1.結論ファーストで構成する
ビジネスの文章では、「起承転結」よりも「結論→理由→具体例→再結論(PREP法)」で伝えるようにしましょう。
読み手が限られた時間で判断できるよう、最初に結論を提示することで、文章全体の意図が明確になり伝わりやすくなります。
3-2.読み手の負担を減らすレイアウトを意識する
文章の内容が正しくても、詰まった文字列は読む気を失わせてしまいます。
改行・句読点・見出しなどで“呼吸ができる余白”をつくることで、視覚的にも理解しやすい文章になります。
3-3.相手の行動を想像して書く
送信後、相手が「次にどう動くか」を想定できる文章は、実務的にも信頼されます。
「◯日までに確認いただけますか」「添付資料をご覧ください」など、相手の行動を明示することで、伝達から実行までのスピードを上げることができます。
4.まとめ:文章力は「距離を埋める技術」であり「信頼を築く力」につながる

リモート環境では、顔を合わせる機会が減る一方で、「言葉」がこれまで以上に重みを持つようになりました。
そのため、文章がその人の人柄・誠実さ・信頼感を代弁するようになったため、文章力を磨くことが大切です。
どんなに優れたスキルを持っていても、伝わり方ひとつで誤解が生まれてしまったり、意図せず信頼を損ねてしまうことがあります。
逆に、丁寧で正確な言葉づかい、わかりやすい説明、読み手を思いやる文章がかけることで、人の温度が宿り、画面越しでも「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるようになります。
文章力とは、単に“上手く書く”ための技術ではなく、相手との距離を縮めるための思考と配慮の積み重ねです。
言葉を整えることで、思考が整い、人間関係を整え、組織の信頼基盤を築くことにつながります。
「信頼をデザインする意識」を宿らせていくことで、“伝える”から“伝わる”ものになりますので、ぜひ日々のメールやチャット、企画書から、意識して取り組んでみてはいかがでしょうか。
ホープンでは、人と組織をつなぐ、伝わるコンテンツ制作をサポートしています。
印刷からWeb、動画制作までワンストップで伝わるコンテンツ制作をご支援していますのでお気軽にご相談ください。
▼ こちらもあわせてお読みください















