
プレゼンや社内研修、営業提案など、あらゆる場面で求められる「資料作成スキル」。
リモートワークやハイブリッド勤務が定着した今、誰が見ても理解しやすく、すぐに行動につながる資料が求められるようになりました。
一方で、「どう作れば伝わるのか分からない…」「見やすく整えるのが難しい…」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、ハイブリット勤務が定着したビジネス環境に合わせた、“伝わる資料”の作り方と作成を効率化するコツをご紹介します。
◆目次
1.ハイブリッドワーク時代に高まる「資料の質」の重要性
オンライン・オフラインの両立が前提に

近年は、会議や研修がオンライン・対面を組み合わせた“ハイブリッド形式”で行われるのが一般的になりました。
この環境では、参加者が同じ空間にいない分、資料そのものが共通認識を生む「言葉の代わり」となります。
例えば、社内研修であれば、講師が話すだけでは理解しづらい内容をスライドや配布資料が補います。
営業活動においても、訪問後に上長や決裁者へ内容を説明する際、資料の完成度が“印象”を左右します。
だからこそ、「見やすい・わかりやすい・伝わりやすい」資料設計力が欠かせません。
2. 「良い資料」とは?3つの共通点
2-1. 見やすい:情報整理とデザインの一貫性
見やすい資料は、フォントや色の統一、余白の取り方などの“整った印象”があります。
整っていることで、視線の流れが自然になり、どのページを見ても“読めるリズム”が保たれているよう工夫されています。
2-2. わかりやすい:情報の優先順位が明確
資料は“何を伝えるか”よりも、“何を削るか”で印象が変わります。
目的に関係のない情報や、細かすぎる説明を削ぎ落とすことで、一目で理解できる構成を意識するようにしましょう。
2-3. 伝わりやすい:メッセージが行動を促す
「伝わる」とは、理解だけでなく相手が動くきっかけを生むことです。
課題→提案→効果という流れを明確にし、“次にどうするか”を自然に示す構成を心がけるようにしましょう。
3.「伝わる資料」を作るためのステップ
3-1. 目的・聞き手を整理する

資料作りの最初のステップは、「誰に」「何を」「どのように」伝えるかを明確にすることです。
この整理が曖昧なままだと、情報が散らかり、メッセージの焦点がぼやけてしまいます。
例えば、
-
社内研修資料
参加者の理解度を高め、学びを行動につなげる。 -
営業資料
商談相手に「導入する価値がある」と感じてもらい、意思決定を後押しする。 -
経営報告資料
経営陣に現状を正確に共有し、次の判断材料を提供する。
このように目的を具体化することで、自然と「何を入れるべきか」「どの表現がふさわしいか」が見えてきます。
また、聞き手の立場・知識レベルを把握することも重要です。
専門用語を多用すると伝わりづらくなりますし、逆に基本的な説明が抜けていると誤解を生むこともあります。
「相手が何を知っていて、どこでつまずくか」を想定し、聞き手の理解を前提に設計することが“伝わる資料”につながります。
3-2.構成をシンプルにまとめる
資料の基本構成は、「導入→本論→まとめ」の3ステップです。
この順番を意識するだけで、情報の流れが整理され、読む人がストレスなく理解できます。
-
導入(問題提起・背景の共有)
「なぜこのテーマが必要なのか」を示すことで、聞き手の関心を引きつけることができます。
背景や課題を明示すると、資料全体の“軸”が定まり、内容に説得力を生みます。 -
本論(具体的なデータ・解決策の提示
論点ごとにページを分け、データや事例で裏付けましょう。
「数字」「図表」「短いキャッチコピー」を組み合わせると、記憶に残る構成になるためおすすめです。 -
まとめ:行動や次のステップを示す
「結論=提案」「次に何をすべきか」を明確に書くことで、聞き手が迷わず行動に移すことができます。
また、プレゼン資料は「1スライド=1メッセージ」を徹底しましょう。
ひとつのスライドに複数の主張を詰め込むと、どれも中途半端に見えてしまいますが、1枚で伝えるべき内容を絞ることで、情報の焦点が際立ち、話す側・聞く側の双方の理解を深めることができます。
3-3.デザインの基本を押さえる
デザインの目的は“飾ること”ではなく、“伝わること”です。
そのためには、整える・揃える・省くの3原則を意識するようにしましょう。
-
フォント
3種類以内に統一(タイトルはゴシック体で力強く、本文は明朝体で読みやすく)
統一感が出ると、視覚的なノイズが減り内容に集中することができます。
※フォント・文字についてご興味がある方は以下の記事をご覧ください。
▼フォントに関する記事はこちら
ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)に関する記事はこちら
・今、ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)が求められている理由とは?誰もが見やすい文字について解説
その他のデザインフォントの特徴について気になる方はこちら
・コーポレートフォントの選び方とは?VI設計の重要性と選び方 -
文字サイズ

本文は16pt以上を目安に。
スクリーン共有やプロジェクターで見たときに、小さすぎて読めない資料はそれだけで印象が下がってしまいます。
小さい文字で表現が必要な場合は、「ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)」を選択するのがおすすめです。
▼フォントに関する記事はこちら
ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)に関する記事はこちら
・今、ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)が求められている理由とは?誰もが見やすい文字について解説 -
配色
メインカラー+アクセントカラーの3色以内がおすすめです。
自社のブランドカラーをベースにすると統一感が生まれます。
派手すぎる色使いよりも、背景・文字のコントラストを意識するのがポイントです。
色が異なることでイメージが変わりまして、どんな印象を持たせたいかによって色を選ぶのがおすすめです。
どんな色にしたらよいか、お悩みの場合は以下の記事をご参考にしていただければと思います。
▼「カラーブランディング」に関する記事はこちら
「カラーブランディング」とは?ブランドカラーが与える色の効果を解説!
また、箇条書き・図解・矢印などのビジュアル要素を適度に活用することで、情報を視覚的に整理できます。
図形やアイコンを使うときは、「何を強調したいのか」「どう流れを示すか」を意識するようにしましょう。
3-4.よくある失敗例とその対策
ここでは、資料の印象を大きく損なう原因になることを3つご紹介します。以下については、気を付けるようにしましょう。
資料は“作る”より“整える”意識が大切です。構成・表現・デザインの「揃える」「削る」「整える」を徹底するだけで、見違えるほど伝わりやすくなります。
4.資料作成を効率化する仕組み
4-1.テンプレート化・ルール化
同じ形式の資料を繰り返し作る場合、「テンプレート化(フォーマットの共通化)」が最も効果的です。
毎回ゼロからデザインやレイアウトを考えるのではなく、あらかじめ“骨格”を用意しておくことで、作業時間を大幅に削減できます。
例えば、
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フォント
タイトル/本文で使用する書体を固定 -
配色
ブランドカラー+サブカラーを定義する -
見出し階層
H1・H2・H3のサイズと余白を統一する -
ロゴ・フッター位置
全スライドで同じ場所に配置 など
これらを共通ルールとして設定しておくことで、チーム全体で資料の「統一感」が保たれ、ブランディングにつながります。
また、テンプレート化には、属人化防止という大きなメリットもあります。
特定の担当者がいなくても、誰が作っても一定品質の資料が作成できるようになり、引き継ぎや共有もスムーズになります。
さらに、社内ルールとして「表紙」「目次」「まとめページ」などの必須構成項目を明文化しておくと、作業者が迷わずに作成を進められます。
ルール化によって、資料の質を下げることなくスピードを上げることができます。
4-2.外部パートナーの活用
資料作成を完全に内製するのが理想とは限りません。
繁忙期や新規プロジェクトの立ち上げ時など、社内のリソースが逼迫しているときは外注(アウトソーシング)を積極的に活用するのも有効です。
プロの制作会社に依頼する最大の利点は、
単に“作業を代行してもらう”のではなく、第三者の視点から構成やデザインの質を引き上げてもらえることにあります。
特に以下のようなケースでは、外注が高い効果を発揮します。
-
営業資料
提案内容を“見せ方”で魅力的に演出したい -
セミナー配布資料
初見の人にもすぐ理解される構成にしたい -
社外プレゼン用資料
ブランドや信頼感を損なわない仕上がりにしたい
プロに依頼することで、構成の整理・デザインの統一・配色バランスなど、社内では気づきにくい改善点を見つけてもらえます。
また、経験豊富なデザイナーやディレクターが、「伝わるレイアウト」「読み手の視線誘導」を意識した設計をしてくれるため、結果的にプレゼンや営業成果にもつながります。
コスト面の不安がある場合は、一部工程だけを外注化する方法もおすすめです。
たとえば「構成ラフは社内で作成し、デザインのみ外注」「既存資料のブラッシュアップだけ依頼」など、柔軟に組み合わせることで、コストを抑えつつ品質を高めることができます。
●外部パートナーを活用する際のポイント
-
初回に「目的」「使用場面」「想定読者」を共有すると、完成度が高くなる
-
依頼前に既存資料の“良い例・悪い例”を渡すと、トーンのズレを防げる
5.まとめ
資料作成の効率化は、「型」と「連携」で生まれます。
テンプレート化によって社内に“再現性”をつくり、外注をうまく活用して“専門性”を取り入れる。
この2つを組み合わせることで、スピードと品質の両立が実現します。
結果として、作業負担が減るだけでなく、資料そのものが「企業の信頼を支えるコミュニケーションツール」になり企業の資産になります。
ホープンでは、資料のブラッシュアップや「伝わるコンテンツ」の制作を得意としています。
資料の構成やデザインの見直しはもちろん、目的やターゲットに合わせた“伝わる設計”、また資料の印刷までワンストップでサポートが可能です。
「自社資料をもっとわかりやすくしたい」「提案書の印象を高めたい」というご要望がありましたら、ぜひホープンにお気軽にご相談ください。
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著者プロフィール

- BST編集部
- ホープンの企画・マーケティング部門が運営する、業務改善お役立ち情報サイト”BST”の編集チームです。
多種多様なメンバー+その時々のゲストメンバーで、皆様の日々の業務における”困った””わずらわしい””こうだったらいいのに”を解決する情報をお届けします!















