
近年、新卒採用市場は大きく変化し、学生が企業研究で得られる情報量は飛躍的に増えています。一方で企業側は、「情報は出しているのに印象に残らない」「他社との差別化が難しい」といった課題を抱えています。
特に新卒学生は、短時間で多くの企業を比較検討するため、“第一印象で興味を持たれるかどうか”が重要です。しかし、採用サイトやパンフレットだけでは、企業の雰囲気や働くイメージを直感的に伝えることは難しい場合も…。
そこで注目されているのが、「モーショングラフィックス」を活用した採用動画制作です。
今回は、ホープンが実際に制作した新卒向けの採用動画の事例をもとに、学生の印象に残る動画設計のポイントと制作の裏側を、ホープンの動画クリエイターにインタビューしましたのでぜひご覧ください。
▼ホープンが制作した「モーショングラフィックス動画」は以下をご覧ください。
◆目次
1.新卒向け採用動画制作の背景と課題
ホープンでは、これまでテキストや写真を中心に、採用サイトや資料を通じた情報発信を行ってきました。
しかし近年、新卒学生の情報収集行動は変化しており、SNSや動画コンテンツを前提とした就職活動が主流になりつつあります。
こうした背景を受け、動画を活用したコンテンツの必要性を強く感じたことが、今回の制作のきっかけとなりました。
実際に、新卒採用においては以下のような課題がありました。
・企業の雰囲気や価値観が伝わりにくい
・テキストと画像だけでは、理解に限界がある
・応募前後のギャップにより、ミスマッチが生じやすい
これらの課題を解決するためには、短時間でも直感的に理解でき、印象に残るコミュニケーションが必要だと考え今回の制作となりました。
2.動画制作前の準備|新卒採用における導線設計
今回の採用動画では、「制作すること」ではなく、採用の成果につなげるためにいくつか設計いたしました。
2-1.ターゲット設計|新卒学生に“刺さる”動画とは
制作した動画は、就職活動中の新卒学生をターゲットとして設計しています。
情報収集の主軸がSNSや動画へシフトしていることを意識し、「短時間で理解できること」と「感覚的に共感できること」を重視して制作いたしました。
また、新卒学生は複数の企業を同時に比較検討する中で、「企業ごとの違いが分かりにくい」「自分が働くイメージを持ちにくい」といったことも想定されます。
テキスト中心の情報だけでは、社風や価値観といった“見えにくい要素”が伝わりづらいという課題もあります。
そのため、本動画では専門的な説明をしたり多くの情報量を伝えるというよりも、「直感的に雰囲気が伝わること」と「視覚的・感覚的に理解できること」を重視しました。
具体的には、テンポの良い構成やシンプルなメッセージ設計、視覚的に印象に残る「モーショングラフィックス」を取り入れることで、短時間でも企業理解が進むように設計しました。
2-2.コンセプト設計|“安心感と共感”を生む印象づくり
新卒採用においては、「この会社なら安心して働けそう」「自分に合いそう」といった“安心感”があると、応募の後押しになります。
特に、初めての就職活動となる新卒学生にとっては、企業選びに対する不安や迷いが大きく、情報の内容だけでなく受け取る“印象”が意思決定に大きく影響します。
そこで、今回の動画では以下の要素を踏まえて、全体のトーンを設計することにしました。
・コーポレートカラーを活かしたトーン設計
・親しみやすく、直感的に理解できるイラスト表現
・明るく前向きな世界観の演出
今回の動画は、ホープンのイメージ浸透も兼ねていましたので、コーポレートカラーを踏まえて設計しつつ、明るさや親しみやすさを踏まえて制作することで、企業に対する距離感を縮めるよう意識し作成しました。
「何を伝えるか」だけでなく、「どのような印象を持ってもらいたいか」「どのように感じてもらうか」という視点を重視し全体のトーンや演出を設計することで、安心感を持ちながら企業理解を深めてもらいつつ、応募への心理的ハードルを下げています。
2-3.ストーリー設計|“共感→理解”で応募につなげる
新卒向けの採用動画では、情報を単に羅列するのではなく、「共感」を起点にしながら「理解」へと導く構成になっているかが重要です。
特に、短時間で多くの企業情報に触れる新卒学生にとっては、最初に「自分に関係がありそう」と感じてもらえるかどうかが、その後の視聴継続や応募意欲に大きく影響します。
そこで本動画では、「モーショングラフィックス」を活用し以下のようなアプローチを実現することにしました。
・数字や特徴的な情報を視覚的に表現し、直感的に理解できるようにする
・イラストの動きや演出で状況や価値を補足し、イメージを持たせる
・効果音やテンポのある展開によって、感情的な興味関心を引き出す
情報設計においても、伝えたい内容をそのまま並べるのではなく、視聴者が自然に理解できる流れを意識して整理しています。
重要なポイントを絞りながら、順序立てて伝えることで短時間でも負担なく企業理解が進む構成にしました。
2-4.情報設計|“伝えないこと”を決める
新卒向けの採用動画では、情報を詰め込みすぎると理解が追いつかず、結果として離脱につながるリスクがあります。
特にスマートフォンでの視聴が中心となり、情報過多になっているため「短時間で直感的に理解できること」をゴールに設計しました。
今回の動画は、「何を伝えるか」と同時に「何をあえて伝えないか」を明確に定義することをゴールに、具体的には以下のような工夫を取り入れることにしました。
・会社概要や制度の詳細説明は、あえて省略し別途ご案内で準備
・1メッセージ・1要素に分解し、シンプルで理解しやすい構成に整理
・専門用語や抽象的な表現は極力避け、誰でも直感的に理解できるように調整
・視覚表現(イラストや動き)とテキストの役割を分け、情報過多を防ぐ設計に
例えば、制作した動画の「男女比率」の説明をするシーンでは、シンプルに円グラフと比率の数字情報のみにすることで、わかりやすさを意識しました。
このように、すべてを動画内で完結させるのではなく、「興味喚起に特化した動画」として役割を明確にすることで、視聴者に負担をかけずに企業理解の入口をつくる設計にしました。
また、伝える情報を絞り一つひとつのメッセージの印象を強めることで、記憶に残る効果も期待できるだけでなく、「短時間でも要点が理解できる」「もっと知りたいと思える」状態を生み出し、その後の採用サイト閲覧や説明会参加といった次のアクションにつながるよう意識しました。
このように、“伝えないこと”をあえて決めることで、動画全体の分かりやすさと訴求力を高める設計にしています。
3.新卒向けに印象を残すモーショングラフィックスの工夫
3-1.テンポ設計|“離脱させないスピード”感
新卒学生は、SNSやショート動画に日常的に触れているため、コンテンツに対する「体感スピード」が速い傾向があります。
動画のテンポ設計を誤ると、内容に入る前に離脱されてしまうリスクがあるため、 視聴者の集中力を維持しながら最後まで見てもらうために、以下の点を意識しました。
・1カットあたりの情報量を最適化し、「理解できる量」にコントロール
・重要な数値やメッセージは、数値が表示されるタイミングで“間”を設けて確実に認識させる
・伝える情報をシンプルにし、イラストや数字の動きでテンポよく展開できるリズムを意識して制作
単に早いテンポにするのではなく、「理解できるスピード」を意識することで、情報の伝達と視聴維持の両立を図れるよう工夫いたしました。
3-2.効果音設計|“記憶に残る体験”をつくる
効果音は単なる演出ではなく、視聴体験の質を高め、情報理解と記憶定着をサポートする重要な要素です。
適切に設計することで、視覚だけでは伝えきれない“印象”を補強することができます。
そこで、今回の動画では、以下のような設計を行っております。
・訴求したいポイントの切り替えのタイミングでアクセント音を入れて、注意を引きつける
・動きと音を連動させることで、視覚と聴覚の両方からアプローチ
・過剰な演出にならないよう音数や音量を調整し、心地よい視聴体験を維持
例えば、動画内0:18~の「多様な人材」を説明するシーンでは、効果音を入れて飽きない工夫をしました。

効果音は、過剰に演出で使用してしまうと、視聴者に不快感を与えてしまう場合があるので、ポイントで音を入れるよう調整しました。
このように、モーショングラフィックスを活用することで、“体験として記憶に残りやすい動画”になるよう設計しました。
3-3.動きの設計|“理解させるためのモーション”
「モーショングラフィックス」の本質は、「装飾としての動き」ではなく、「理解を助けるための動き」にあります。
どのように動かすかによって、情報の伝わりやすさは大きく変わってきてしまうため、今回の動画では、以下の点を重視して設計しました。
・視線誘導を意識した要素配置とアニメーション設計(右→左、下→上などの流れ)
・テキストとイラストの出現タイミングを連動させ、情報の理解をスムーズにする
・イラストのトンマナ(テイスト・色など)を統一し、違和感のない世界観を構築
例えば、0:40からの「平均残業時間」の説明から「年間休日日数」のシーンへ場面展開する際に、右から左へテンポよく切り替えることでスムーズに視聴できるよう意識いたしました。
また、新卒学生に向けての制作は「楽しさ」や「親しみやすさ」も重要な要素となるため、軽やかでリズミカルな動きや、ポジティブな印象を与える演出も取り入れました。
4.まとめ|新卒採用は“印象設計”で差がつく
新卒採用においては、採用動画は単なる「情報伝達ツール」ではなく、企業の第一印象を決定づける重要なコンテンツです。
特に「モーショングラフィックス」を活用することで、以下のような効果が期待できます。
・複雑な情報を分かりやすく整理できる
・短時間で理解と共感を生み出せる
・記憶に残る体験を提供できる といった効果が期待できます。
「説明しているけれども、伝わっていない気がする…」「学生に印象が残らない…」といった課題を感じている場合は、「モーショングラフィック動画」を、採用動画にご検討されてみてはいかがでしょうか。
複雑な情報を分かりやすく整理しながら、印象に残る体験を提供することが期待できます。
ホープンでは、新卒採用に特化した動画制作を、企画・構成から制作までワンストップでご支援しております。
モーショングラフィックスを活用した採用動画にご興味がございましたら、お気軽にご相談ください。

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