サステナブル印刷とは?企業ブランディングに効くエコ素材・加工の選び方

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公開日:2025/12/09
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サステナブル印刷とは?企業ブランディングに効くエコ素材・加工の選び方

近年、企業のブランディング・広報・採用領域では「サステナビリティ」が重要なテーマとなっています。
ESG投資が拡大し、CSR経営が求められる中で「紙の印刷物をどう環境配慮型にすべきか?」という具体的な検討が企業担当者の間で増えてきました。

パンフレット、会社案内、名刺、カタログ、DMなど、紙の制作物は企業の“”。
その一方で、「環境に良い紙って?」「どんな加工がサステナブルなの?」と環境配慮にも様々な方法があるため分かりにくい領域でもあります。

本記事では、企業のブランド価値を高めつつ環境負荷を下げる『サステナブル印刷』の実践ポイントを、素材・加工の観点までご紹介いたします。


◆目次

        1. サステナブル印刷とは?
        2. サステナブルな“紙素材”の選び方
          1. 森林認証紙
          2. 再生紙(リサイクルペーパー)
          3. 非木材紙
        3. サステナブルの観点で取り入れたいこと
          1. 必要な分だけを作る「オンデマンド印刷」
          2. 表面加工の工夫(PP加工を減らす)
          3. 長く使われる設計にする
          4. オンライン校正を活用する
        4. 企業がサステナブル印刷を導入するときの注意点
          1. デザインとの両立
          2. 印刷会社との“連携”が大切
        5. まとめ|サステナブル印刷は“企業の姿勢を伝えるブランディング施策”

1.サステナブル印刷とは?

1.サステナブル印刷とは?
サステナブル印刷(サステナブルプリンティング)」とは、単に「エコな紙を選ぶ」だけではなく、印刷物のライフサイクル全体を環境配慮型にする考え方を指します。
印刷物の一生(設計→素材→印刷→配送→利用→廃棄)を俯瞰し、総合的に環境負荷を下げる取り組みのことです。

具体的には、以下の観点が含まれます。

  1. 必要な数量だけ印刷する(オンデマンド印刷)

  2. 森林認証紙・再生紙・非木材紙などの環境配慮型の紙を使用する

  3. 環境負荷の低いインク・加工方式を選ぶ(植物油インク、水性ニスなど)

  4. 長く保存され、すぐに廃棄されない設計にする

  5. 在庫ロス・輸送コストを抑える

  6. 紙orデジタルの二択ではなく、双方の価値を活かして設計する

  7. 「紙の魅力を活かしながら環境に配慮する」バランスを最適化する

サステナブル印刷は、環境対応であると同時に、企業姿勢そのものを示す“ブランドコミュニケーション”の一環として取り組むべきものとなっています。

2.サステナブルな“紙素材”の選び方

ここでは、印刷物の企画段階で押さえておきたい、代表的なエコ素材をご紹介いたします。

2-1.森林認証紙

世界的に使用されている環境配慮型の紙です。詳細は以下の記事をご覧ください。

▼詳細はこちら
森林を守り、持続可能な未来の実現に繋がるFSC®認証紙

●向いている制作物

  • 会社案内

  • ブランドブック

  • CSRレポート

  • パンフレット

  • 名刺

●メリット

  • 通常の紙と品質差がほぼない

  • SDGs(12・15)と高い親和性

  • 企業広報・IRに使いやすい

2-2.再生紙(リサイクルペーパー)

2-2.再生紙(リサイクルペーパー)
古紙を原料にした紙で「環境配慮」の象徴とも言われます。
ナチュラルな風合いを活かしたデザインに相性抜群です。

●向いている制作物

  • DM

  • ショップカード

  • 小冊子

  • 封筒

●メリット

  • 素朴な質感でデザイン性UP

  • 自然素材のイメージがブランドに合う企業と相性が良い

2-3.非木材紙

環境 × ストーリー性の両面で注目されているサステナブル素材です。木材に依存しないことで森林資源の保全に寄与し、素材自体が社会課題の解決にもつながります。
例えば以下のような紙があります。

  • バナナペーパー
    廃棄されるバナナの茎繊維を原料にした紙。フェアトレードにつながる社会性の高い素材で、SDGsへの直接的な貢献度が高いのが特徴です。

    ※「バナナペーパー」に関する詳細は以下の記事をご覧ください。

    ▼バナナペーパーに関する記事はこちら
    フェアトレードの輪がつくる紙。アフリカ生まれのOne Planet Paper®(バナナペーパー)

  • kome-kami(コメカミ)
    日本で廃棄される食用に適さなくなったお米を原料の一部に使用した再生紙。
    食品ロス削減と森林資源保全の両立を目指して開発されており、「お米を紙にアップサイクルする」というストーリー性が特徴です。
    やさしい色味と自然な風合いがあり、環境配慮をわかりやすく伝えたい制作物に適しています。

    ※「kome-kami(コメカミ)」に関する詳細は以下の記事をご覧ください。

    ▼kome-kami(コメカミ)に関する記事はこちら
    伝統×サステナブル!「kome-kami(コメカミ)」に込めた想いと未来【独占インタビュー】

  • サーキュラーコットンペーパー
    洋服などの廃棄コットン50%と木材パルプ50%を活用して再生されたアップサイクル紙。
    本来、廃棄される繊維を有効活用することで、廃棄物削減や循環型社会に貢献します。
    柔らかく温かみのある質感を持ち、名刺・カード・冊子など、ブランドストーリーを伝えるツールに最適です。

    ※「サーキュラーコットンペーパー」を使用した制作事例「お元気ですかはがき」に関する記事は以下をご覧ください。

    ▼「サーキュラーコットンペーパー」の制作事例はこちら
    【言葉で紡ぐシリーズ】其の四「糸」

3.サステナブルの観点で取り入れたいこと

素材だけでなく、加工方法も環境負荷に大きく影響します。ここでは加工方法についてご紹介します。

3-1.必要な分だけを作る「オンデマンド印刷」

3-1.必要な分だけを作る「オンデマンド印刷」
サステナブル印刷で最も効果の高い印刷方法です。以下のような特徴があります。

  • 在庫ロスゼロ

  • 更新が多い資料と相性抜群

  • 少量多品種の制作が可能

  • 輸送・保管コストの削減にも寄与

ホープンでも、小ロットでも対応できるオンデマンド印刷の体制を整えております。

3-2.表面加工の工夫(PP加工を減らす)

従来のPP加工(フィルム貼り)は耐久性は高いものの、廃棄時に分離ができず環境負荷の課題がありました。そこでこのような代替となる加工方法があります。

●従来加工からサステナブル加工への代替例
(1)代替前:PP加工(フィルムラミネート)→ 代替後:ニス加工
代替前は、耐久性は高いが廃棄時に紙とフィルムを分離できず環境負荷が高いのが課題だった。

※ニス加工に代替えすることで以下を実現
・フィルムを使用しないため環境負荷が低い
・一般的な冊子・パンフレットで扱いやすい

(2)代替前:箔押し(厚盛の金属箔を全面や大面積に使用) → 代替後:デジタル箔(必要部分のみ)
箔押しは、以下の特徴があるためどうしても環境配慮の印刷には不向きな加工でした。
・金属箔を版で押しつける加工
・大面積の箔使用は材料ロスが出やすい
・版が必要のため、コスト面から少量印刷と相性が悪かった

※「デジタル箔(必要な箇所のみピンポイント加工)」に代替えすることで、以下を実現
・必要な分だけ加工できるため、小ロット・多品種に向いている
・版を作らず、デジタル制御で箔加工するため箔のロスが少ない

3-3.長く使われる設計にする

サステナブル印刷において重要なのは、単に環境配慮素材を選ぶことだけではありません。
「捨てられにくい設計」=長く使われるデザインをつくることも、立派な環境配慮のアプローチです。

そのためには、次のような要素が欠かせません。

  • 普遍性の高いデザイン
     流行に左右されない表現は、長期間の使用に耐え、更新頻度や廃棄を減らすことにつながります。

  • 複数用途に使える構成
     説明会・商談・採用など、さまざまな場面で使える汎用性の高い設計にすることで、無駄な改訂や追加印刷を防げます。

  • 手元に置きたくなる質感
     紙の手触り、色、厚みなど、素材の魅力が“保管したくなる理由”になります。
     環境配慮型の素材でも、むしろブランドの誠実さや温かみを伝える効果が生まれます。

こうした工夫によって、印刷物は一度きりで捨てられるものではなく、“長く役立つ資産”へと変わります。
結果として 廃棄量を減らし、コスト削減とブランド好感度の向上につながります。

3-4.オンライン校正を活用する

サステナブル印刷では、素材や加工に加えて 「制作プロセスそのもの」 を環境配慮型にすることも重要です。
その一つが 校正紙を使わずにオンラインで確認する“オンライン校正”の導入です。

●オンライン校正のメリット

  • 紙やインクを使わず、校正紙の廃棄を削減できる

  • 郵送や移動が不要になり、CO₂排出量を低減

  • 修正の履歴管理がしやすく、確認作業が効率化

  • リモートワークや複数拠点での制作でもスムーズに進行できる

サステナブル印刷は素材選びだけでなく、制作フローを見直すことで、より環境負荷を下げることもできます。

4.企業がサステナブル印刷を導入するときの注意点

サステナブル印刷は多くのメリットがありますが、導入する際には押さえておきたいポイントを2点ご紹介します。
特に重要なのが、デザインとの調和と印刷会社との適切な連携です。

4-1.デザインとの両立

環境配慮型の紙は、一般的な紙に比べて 風合いや質感が強い ものも多くあります。
特徴として、
  • 写真が沈みやすい(コントラストが弱く見える)

  • インクの発色が変わる(彩度が落ちる・色味がブレる)

といった現象が生じることがあります。

そのため、制作段階では、

  • 紙サンプルを使った事前チェック

  • 本番同等の色校正

といったプロセスが欠かせません。素材の特性を理解したうえでデザインを最適化することで、サステナブル素材の魅力を最大限に活かすことができます。

4-2.印刷会社との“連携”が大切

サステナブル印刷は、素材やインク、加工方法の相性によって仕上がりが大きく変わります。
エコ紙は種類も広く、質感・厚み・再生率などによって適した印刷方式が異なるため、専門的な知識が必要です。

そのため、

  • 「どの紙がブランドに合うのか」

  • 「このデザインはどの加工が適切か」

  • 「小ロットでも対応しやすい方法は何か」

といった判断を、制作段階から印刷会社と相談しながら進めるとスムーズです。

5.まとめ|サステナブル印刷は“企業の姿勢を伝えるブランディング施策”

まとめ|サステナブル印刷は“企業の姿勢を伝えるブランディング施策”
サステナブル印刷は、単に環境に優しい制作物をつくるための施策ではありません。
企業が大切にしている 「価値観」「思想」「姿勢」 を、紙というメディアを通じて可視化するブランディングの一部です。

印刷物は、会社案内・ブランドブック・名刺・DMなど、企業の“第一印象”をつくります。
その制作プロセスでどのような素材を選び、どんな加工や表現を選択するかは、受け手に対して明確なメッセージとなります。
1つ1つの制作物において、サステナブルな印刷ができるか。など意識されてご検討されてみてはいかがでしょうか。

ホープンでは、紙選定 → デザイン → 印刷方式 → 加工 → 納品までをワンストップでご支援可能です。
お客様のご希望に合わせた最適なサステナブル印刷をご提案いたしますのでお気軽にご相談ください。

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