
研修や社内教育の場面で、「説明したのに伝わらない」「理解が定着しない」と感じた経験はありませんか。
実はその原因の多くは“資料設計”にあります。
教育・育成フェーズで成果を上げるためには、情報を並べるだけでなく、「理解→納得→行動」につながる構成とデザインが欠かせません。
本記事では、教育の現場で“伝わる資料”を作るための考え方と実践ポイントをご紹介します。
◆目次
- 教育効果を高める「資料づくり」の考え方
- 受講者に合わせた「伝わる構成」を考える
- 見やすく、わかりやすくするためのデザインの工夫
- 図や動きを使って理解を深める
- 忙しいときは「プロに頼む」のも一つの選択肢
- まとめ|伝わる資料が“学び”を変える
1.教育効果を高める「資料づくり」の考え方

教育の場で使う資料は、ただ情報をまとめて伝えるためのものではありません。
大切なのは、受講者が内容を理解し、「やってみよう」と思えるようにすることです。
そのために資料を作るときは、いきなりスライドを作り始めるのではなく、まず次の2つを整理しておきましょう。
1-1.資料の目的は「説明すること」ではなく「行動を促すこと」
教育のゴールは「知ってもらう」ことではなく、「できるようになってもらう」ことです。
たとえば、マナー研修なら「正しい言葉づかいを覚えること」よりも、「実際の場面で自然に使えるようになること」が大切です。
「この資料で、受講者にどんな変化を起こしたいのか?」という視点で考えて設計することで、内容の流れや見せ方も明確になります。
1-2.資料制作の前に、資料の活用方法をイメージする
資料は、“読むためのもの”なのか、“話しながら使うもの”なのかで作り方が変わります。
たとえば、説明会で使う資料なら、文字をびっしり書くよりも講師の話を引き立てるキーワードや図解を中心にしたほうが効果的です。
受講者が「理解できた」「納得できた」と感じるように、資料と話の役割を分けて考えることがポイントです。
2.受講者に合わせた「伝わる構成」を考える

教育の資料は、相手に合わせて構成を工夫するだけで、伝わり方が変わります。
「誰に」「何を」「どんな順番で」伝えるのかを整理することが大切です。
2-1.ゴールから逆算して流れを決める
まず最初に考えたいのは、「この研修で受講者にどんな状態になってほしいか」というゴールです。
例えば「ビジネスマナーを身につけてほしい」なら導入で目的を伝え、次に具体例や体験を入れ、最後に実践を促すような流れを意識すると効果的です。ゴールから逆算することで、内容の重複や脱線を防ぎ、聞き手が自然と理解しやすい構成になります。
2-2.相手に合わせて伝え方を変える
同じテーマでも、対象が「新入社員」と「管理職」なのかで、相手によって伝え方を変えましょう。
例えば、新入社員には「なぜそれが大切なのか」を丁寧に説明し、管理職向けなら「どうチームに広げるか」を中心に話すと良いでしょう。
受講者の立場や知識レベルに合わせて、“どんな言葉なら届くか”を意識して構成を考えることがポイントです。
3.見やすく、わかりやすくするためのデザインの工夫
教育資料のデザインは、見た目を飾るためではなく、内容を理解しやすくするための工夫が大切です。
少しのルールを意識するだけで、伝わり方が大きく変わります。
3-1.「1スライド1メッセージ」を意識する

1枚のスライドに伝えたいことを詰め込みすぎると、どこに注目すればよいのか分からなくなってしまいます。
「このスライドで何を一番伝えたいのか?」を1つに絞ることで、見た人の理解がスムーズになります。
3-2.読みやすいフォントを使う
文字で、資料の印象はガラッと変わります。もし教育研修用でのフォントとして何のフォントを使用するかお悩みの場合は、誰が見ても読みやすく設計されている「ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)」の使用がおすすめです。
また使用するフォントは、絞るのがおすすめです。フォントを統一することで、見た目がすっきりし、安心感のある資料に仕上がります。
※「ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)」についてご興味がある方は以下の記事をご覧ください。
▼「ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)」に関する記事はこちら
今、ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)が求められている理由とは?誰もが見やすい文字について解説
3-3.色は3色までに絞り、シンプルに

色を多く使うと華やかには見えますが、情報が散らかって見えてしまうことがあります。
教育・育成フェーズで使用する資料は、伝わることが大切です。
そのため、基本は3色に絞るようにしましょう。
3色はそれぞれ、「テーマカラー(全体の印象)」「ベースカラー(本文や背景)」「アクセントカラー(強調したい部分)」の3色にまとめるのがコツです。統一感のある配色にするだけで、落ち着いて見やすい資料になります。
※資料の作成にあたり、どんな色にするかお悩みの場合は、以下の記事をご覧ください。
▼「カラーブランディング」に関する記事はこちら
「カラーブランディング」とは?ブランドカラーが与える色の効果を解説!
4.図や動きを使って理解を深める
教育研修の場面では、言葉だけで説明するよりも図やインフォグラフィック・アニメーションを使ったほうが理解が早くなることがあります。
特に複雑な流れや関係性を説明するときは、見える化がとても有効です。
4-1.図やアイコンで整理する
手順の流れや仕組みを伝えるときは、表や矢印、フローチャートを活用してみましょう。
「どこからどこへ進むのか」が視覚的にわかることで、受講者の理解をぐっと深めることができます。
例えば、「改善サイクル」や「お客様対応の流れ」を図で示すだけでも、言葉以上に伝えることができます。
4-2.アニメーションで注目を集める
PowerPoint(パワーポイント)のアニメーション機能を使うと、スライドの中で情報を少しずつ出すことができます。
一度に全部を見せるよりも、話の流れに合わせて段階的に出す方が、集中して聞いてもらいやすくなります。
ただし、動きを入れすぎると逆にわかりづらくなる場合があるため、「ここを強調したい」という箇所だけに絞って使うようにしましょう。
5.忙しいときは「プロに頼む」のも一つの選択肢

「教育資料の作り方はわかっていても、時間が足りない…」という方も多いのではないでしょうか。
そんなときは、資料作成のプロに依頼する方法もあります。
外部の制作会社に任せることで、構成やデザイン、アニメーションなどを短期間で高品質に仕上げることができます。
特に社内研修や講義で繰り返し使う資料は、最初にしっかり作っておくと、その後の更新もスムーズです。
ホープンでは、教育・育成向けの資料づくりを始めとしたコンテンツ制作を企画からデザイン・活用方法までトータルでサポートしています。
「伝わる構成にしたい」「スライドの見せ方を改善したい」などのご相談がございましたら、お気軽にご相談ください。
6.まとめ|伝わる資料が“学び”を変える
教育の現場で使う資料は、ただ情報を詰め込むものではなく、受講者の理解や気づきを引き出すための大切なツールです。
相手の立場を想像しながら、わかりやすい構成や見やすいデザインを意識するだけで、学びの質を高めることができます。
「どう設計すれば伝わるのか」を考えることで、教える側の伝える力を磨くことにもつながります。
一方で、限られた時間の中で資料づくりや研修準備を進めるのは、なかなか大変です。
そんな、リソース不足でお悩みの場合は、プロのサポートを取り入れて、効率的に質を高めるという方法も一つの選択肢です。
ホープンでは、教育や育成の現場で活用できる資料のブラッシュアップや、eラーニングのための動画制作など、学びを“伝わる形”に変えるコンテンツ制作をサポートしております。
資料のブラッシュアップや研修のための動画制作に関するご相談がありましたら、お気軽にご相談ください。
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著者プロフィール

- BST編集部
- ホープンの企画・マーケティング部門がお届けする、業務改善お役立ち情報サイト”BST”の編集チームです。
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