
複雑化する情報をいかに「わかりやすく」「短時間で」伝えるかは、企業の広報・採用・営業活動などそれぞれの場面においても、課題なのではないでしょうか。
その解決策として注目されているのが「インフォグラフィック」です。データやメッセージを視覚的に整理することで、資料やプレゼンの説得力を高め、採用パンフレットや社内研修ツールにも応用ができます。
さらに、近年は動画化された「モーションインフォグラフィック」が拡大し、理解促進と記憶定着を両立する手法として企業に求められています。
本記事では、ビジネス活用のメリットと最新事例をご紹介します。
◆目次
1.インフォグラフィックとは

インフォグラフィック(infographic)とは、インフォメーション(情報)とグラフィック(図・イラスト・デザイン)を組み合わせた情報デザインの手法のことです。
複雑なデータやメッセージを視覚的に整理することで、誰でも「一瞬で理解できる」形に変換することができます。近年では、データの可視化やコンテンツマーケティングの重要なツールとして注目を集めています。
インフォグラフィックは様々な場面で活用されていますが、代表例には、以下のようなものがあります。
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駅や空港の案内表示
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鉄道の路線図
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道路標識
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グラフやチャートを使った統計資料
その他、プレゼン資料・ビジネスレポート・ウェブサイト・SNS投稿など、幅広い分野で活用されており、わかりやすく「伝わる情報発信」を実現するために欠かせない手法です。
2.なぜインフォグラフィックが必要なのか

参考:『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)p4に「図1.2 五感による知覚の割合」が掲載されている。「味覚1.0%、触覚 1.5%、臭覚 3.5%、聴覚 11.0%、視覚 83.0%」より
インフォグラフィックが注目される理由は、人が情報を理解するときに最も頼っているのが「視覚情報」だからです。
『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)によると、人は五感による知覚の割合のうち、視覚から得る情報が83%で一番高いと示されています。
また、アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンによって提唱された「メラビンの法則」では、人と人がコミュニケーションを図る際、「視覚情報55%」「聴覚情報38%」「言語情報7%」という割合で影響を与えていることを示しています。
「メラビアンの法則」についてご興味がある方は以下の記事をご覧ください。
▼「メラビアンの法則」に関する記事はこちら
営業も採用も研修にも使える!「メラビアンの法則」の活用事例
つまり、人は言葉以上に「見たもの」から強い印象を受けるのです。そのため、インフォグラフィックは情報を直感的に理解しやすく、記憶に残りやすい表現方法といえます。
複雑なデータを瞬時に整理し、相手の「理解」と「納得」を同時に高めるため、ビジネス資料・マーケティング・教育などあらゆるシーンで必要とされるのです。
3.インフォグラフィックを活用するメリット
インフォグラフィックには、単なる「データの見せ方」以上の効果があります。ここでは、ビジネスやマーケティング、人事施策など幅広い場面で活用される主なメリットをご紹介します。
3-1 .情報をわかりやすく伝えられる
数字やテキストだけでは理解しにくい情報も、図・色・アイコン・レイアウトを活用することで、直感的に把握できます。
特に複雑な統計データや比較情報も、一目で理解できる「伝わる資料」に変わります。
3-2 .活用範囲が広く、様々なビジネスシーンで活用できる
インフォグラフィックは多様なシーンで活用できます。
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プレゼン資料・営業資料:短時間で要点を伝え、説得力を高める
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報告書・レポート:経営層やチームにデータをわかりやすく共有
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社内教育ツール・研修マニュアル:従業員が学習内容をスムーズに理解
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案内図・標識:誰にでも伝わるユニバーサルデザイン
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ウェブサイト・SNS投稿:拡散力が高く、マーケティング効果を強化
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海外向け資料:言語の壁を越えて情報を共有
採用パンフレットや企業ブランディング資料などでも利用され、認知度や理解度の向上に大きな効果を発揮します。
4.インフォグラフィックの作り方(4ステップ)
インフォグラフィックを効果的に制作するためには、いくつかの手順を踏むことが重要です。
ここでは、チョコレートショップを展開するチョコレートブランドを事例に解説します。
ステップ1:テーマを決める
まずはインフォグラフィックの目的とターゲットを明確化します。
例:自社商品の人気ランキングを伝え、ブランドの信頼性を強調する。

ステップ2:情報を整理する
テーマに沿ってデータの収集・整理をし、伝えたい情報のポイントを明確にしましょう。
例えば多くの方に支持されてるブランドであることを表現する場合は、売上データや顧客アンケートなどの数字を収集し、強調すべきデータやメッセージを抽出します。

ステップ3:演出(表現方法)を考える
収集した情報を、どのように見せるか(グラフ・チャート・イラスト)を設計します。
例:円グラフで割合を示す、アイコンを使って親しみやすさを出す。

ステップ4:デザイン(視覚化)する
最後に、デザイン要素(色・フォント・アイコン・レイアウト)を工夫して、誰が見ても直感的に理解できる形に仕上げましょう。
この4ステップを踏むことで、インフォグラフィックは単なるデータのまとめではなく、「伝わる資料」や「拡散されるコンテンツ」として活用できるようになります。
5.インフォグラフィックの最前線と今後
5-1.モーションインフォグラフィックとは?
近年注目を集めているのが、「モーションインフォグラフィック(動画インフォグラフィック)」です。従来の静止画に動きを加えることで、情報の理解度と記憶定着率をさらに高められます。
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図形やアイコンが動くことで、データやストーリーが直感的に理解できる
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BGMやナレーションを組み合わせ、視覚だけでなく感情にも訴求できる
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SNS動画・YouTube・企業紹介動画・採用動画など、ビジネスからマーケティングまで幅広く活用可能
短い時間で商品理解を促進し、ブランド認知を拡大する手法として、マーケティング担当者・人事担当者の双方にとって強力なツールとなっています。
ホープンでは、このようなモーショングラフィックを活用したコンテンツ制作もご支援しておりますので、ぜひご覧ください。
▼動画はこちら
5-2.インフォグラフィックの今後の展望
インフォグラフィックは今後さらに進化し、以下の領域での需要拡大が見込まれます。
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SNSマーケティングとの融合
拡散性の高さから、広告やキャンペーンにおける利用が拡大 -
教育・人材育成分野での活用
学生向け就活パンフレットや、Eラーニング教材での利用が増加
インフォグラフィックは「静的な画像」から「動的な動画」へと進化し、企業のマーケティング・採用・教育施策において今後も欠かせない表現方法となっていくでしょう。
6.まとめ
「インフォグラフィック」についてご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。
複雑な情報を「わかりやすく」「記憶に残る形」で伝えるための最適なツールですので、ぜひ様々な場面でご活用いただけたらと思います。
静止画だけでなく、「モーションインフォグラフィック」やSNS向け短尺動画など、表現の幅は広がり続けており、今後ますますビジネスや人事、教育の現場で欠かせない存在となっていくでしょう。
しかし、効果的にインフォグラフィックを制作したいけど、自社だけで対応するのは難しいケースもあるのではないでしょうか。
そんな時は、ホープンにお任せください。ホープンでは、50年以上にわたり印刷から動画、Webまで幅広くコンテンツ制作をご支援して参りました。
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静的なインフォグラフィック:資料・パンフレット・Webコンテンツ
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モーションインフォグラフィック動画:採用動画・企業紹介・SNS向けコンテンツ
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教育・研修ツール:Eラーニング教材・社内研修動画・マニュアル
など幅広いコンテンツ制作を企画からデザイン、動画制作、Web制作までワンストップでご支援しておりますのでお気軽にご相談ください。
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著者プロフィール

- BST編集部
- HOPEN(旧社名:PRINTBOY)がお届けする、業務改善お役立ち情報サイト”BST”の編集チームです。
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