
「オフセット印刷」と「デジタル印刷」という言葉を聞いたことはあっても、「何が違うのかわからない」「どちらを選べばよいの?」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
パンフレットや会社案内、DMなどの印刷物は、用途や部数、運用方法によって適した印刷方式が異なります。印刷方式を正しく選ぶことは、コストだけでなく、仕上がりの品質や販促効果にも大きく影響します。
今回は、オフセット印刷とデジタル印刷の違いや、それぞれの特徴、用途に応じた使い分けについて解説いたします。
◆目次
1.オフセット印刷とは?
オフセット印刷とは、商業印刷で広く利用されている代表的な印刷方式のひとつです。パンフレットや会社案内、カタログ、チラシなど、多くの印刷物で活用されており、「高品質」「大量印刷に強い」といった特徴があります。
近年ではデジタル印刷(オンデマンド印刷)の品質も向上していますが、色味の安定性や大量印刷時のコスト面から、現在でも多くの商業印刷で利用されている印刷方式です。
1-1.オフセット印刷の仕組み
オフセット印刷は、「版(はん)」を作成して印刷する方式です。
印刷データをもとに専用の版を作り、その版にインクをのせ、ゴム製の「ブランケット」へ一度転写(オフセット)した後、紙へ印刷します。
ブランケットとは、インクを紙へきれいに転写するためのゴム製の部材です。版から直接紙へ印刷するのではなく、一度ブランケットを介することで、細かなデザインや写真も美しく再現しやすくなります。
そのため、オフセット印刷は色の再現性や印刷品質が高く、商業印刷で広く活用されています。
1-2.オフセット印刷の特徴
(1)高品質な印刷表現が可能
オフセット印刷は、細かな文字や写真、グラデーションなどを美しく再現しやすく、高級感のある仕上がりを実現しやすい印刷方式です。
特に、企業イメージを重視するパンフレットや会社案内などでは、安定した品質が求められるため、オフセット印刷が採用されるケースも多くあります。
(2)色の再現性が高い
大量印刷でも色ブレが少なく、安定した品質で印刷できる点も特徴です。
また、特色印刷にも対応できるため、企業カラーを正確に再現したい制作物にも向いています。
(3)大量印刷に向いている
オフセット印刷は、最初に版を作成する必要がありますが、一度版を作れば高速で大量印刷を行うことが可能です。
そのため、数千部〜数万部といった大量印刷では、1枚あたりのコストを抑えやすくなります。
(4)印刷できる用紙の種類が豊富
コート紙やマット紙だけでなく、高級紙や特殊紙など、幅広い用紙に対応しやすい点も特徴です。
ブランド感を演出したい印刷物や、紙の風合いにこだわりたい制作物にも活用されています。
1-3.オフセット印刷が向いているケース
オフセット印刷は、品質や大量印刷を重視する制作物に向いています。オフセット印刷は、品質や大量印刷を重視する制作物に向いています。
たとえば、
・数千部以上の大量印刷
・色味を重視するパンフレットや会社案内
・写真の再現性を重視するカタログ
・長期間使用するブランドツール
・特殊紙や特色を使用する印刷物
・同じ品質で大量配布したいチラシやポスター
などで活用されています。
2.デジタル印刷とは?
デジタル印刷とは、版を作らず、データから直接印刷する方式です。「オンデマンド印刷」と呼ばれることもあり、近年ではパンフレットやDM、名刺など、さまざまな印刷物で活用されています。
オフセット印刷と比較すると、小ロットでの印刷や内容更新に強く、必要な分だけ印刷しやすい点が特徴です。
2-1.デジタル印刷の仕組み
デジタル印刷は、印刷データをもとに直接出力する印刷方式です。デジタル印刷は、印刷データをもとに直接出力する印刷方式です。オフセット印刷のように版を作る工程が不要なため、必要なタイミングで印刷しやすく、内容更新や追加印刷にも柔軟に対応できます。
そのため、
・少部数印刷
・内容更新が多い制作物
・可変印刷を活用する販促物
などと相性がよい印刷方式です。
2-2.デジタル印刷の特徴
(1)小ロットに強い
版を作る必要がないため、数十〜数百部程度の小ロット印刷に適しています。必要な分だけ印刷できるため、在庫リスクを抑えやすい点も特徴です。
(2)必要なタイミングで印刷しやすい
データから直接印刷できるため、内容更新や追加印刷にも柔軟に対応しやすい点が特徴す。そのため、運用面を重視した制作物にも向いています。
(3)「バリアブル印刷」に対応しやすい
デジタル印刷は、1枚ごとに内容を変更する「バリアブル印刷(=可変印刷)」に対応しやすい印刷方式です。
たとえば、
・宛名印字
・QRコード変更
・名前入りDM
・地域ごとの内容変更
など、ターゲットごとに内容を変えた販促物にも活用されています。
※バリアブル印刷についてご興味ある方は以下の記事をご覧ください。
▼「バリアブル印刷」についての記事はこちら
バリアブル印刷とは?成果を高める仕組みと活用方法
(4)コストを抑えやすいケースもある
少部数印刷では、デジタル印刷のほうがコストメリットが出やすい場合があります。
特に、
・少部数しか使わない
・内容更新が多い
・在庫を持ちたくない
といった場合に向いています。
2-3.デジタル印刷が向いている制作物
デジタル印刷は、小ロットや可変印刷が必要な制作物に向いています。
たとえば、
・少部数で制作するパンフレットや冊子
・宛名や内容を変更するDM
・必要な分だけ印刷したい名刺
・イベントや展示会向けの少量配布ツール
・QRコードや名前を変更するパーソナライズ印刷
・デザインや内容を頻繁に更新する制作物
などで活用されています。
3.オフセット印刷とデジタル印刷の比較
オフセット印刷とデジタル印刷は、それぞれ得意な領域が異なります。
3-1.印刷品質の違い
オフセット印刷は色味の安定性や写真の再現性に優れており、ブランドイメージを重視した制作物に向いています。
一方、デジタル印刷も近年は品質が向上しており、一般的な販促物や少部数のパンフレットであれば十分対応可能です。
3-2.コストの違い
オフセット印刷は、版制作が必要なため少部数では割高になりやすい一方、大量印刷では1枚あたりのコストを抑えやすくなります。
一方、デジタル印刷は版を作る必要がないため、小ロット制作でコストメリットが出やすい印刷方式です。
3-3.部数による向き不向き
印刷方式は、部数によって向き不向きがあります。
目安としては、
・数十〜数百部 → デジタル印刷
・数千部以上 → オフセット印刷
といったように、部数によって適した印刷方式が異なるケースがあります。
3-4.可変印刷への対応
オフセット印刷は、同じ内容を大量印刷する用途に向いています。
一方、デジタル印刷は1枚ごとに内容を変更できるため、パーソナライズ施策とも相性がよい印刷方式です。
4.印刷方式選びで失敗しないためのポイント
印刷方式を選ぶ際は、「どちらがよいか」ではなく、制作物の目的や条件に合わせて選ぶことが重要です。
4-1.「何部作るか」を明確にする
印刷部数によって、適した印刷方式は変わります。
まずは、「どのくらいの部数を制作するのか」を明確にしましょう。
4-2. 「何を重視するか」を整理する
重視するポイントによって、最適な印刷方式は異なります。
たとえば、
・品質を重視したい → オフセット印刷
・小ロットで制作したい → デジタル印刷
・バリアブル印刷(可変印刷)を活用したい → デジタル印刷
といったように、目的に応じて選ぶことが大切です。
4-3.用紙との相性も確認する

印刷物は、使用する用紙によって印象が大きく変わります。
そのため、印刷方式だけでなく、紙の種類や質感も含めて検討することが重要です。
4-4.印刷会社に相談する
配布部数や用途、使用する用紙によって、適切な印刷方式は変わります。
また、制作段階から印刷会社へ相談することで、
・サイズ調整
・用紙選定
・加工方法の見直し
・印刷方式の最適化
などを検討しやすくなり、結果として制作物の最適化につながるケースもあります。
5.まとめ|印刷方式の違いを理解することで、成果につながる印刷物に
オフセット印刷とデジタル印刷には、それぞれ異なる特徴があります。
オフセット印刷は、高品質かつ大量印刷に向いており、ブランドイメージを重視した制作物に適しています。
一方、デジタル印刷は、小ロットや可変印刷に対応しやすく、必要な分だけ効率よく印刷したい場合に向いています。
そのため、「どちらが優れているか」ではなく、「何を重視したいか」によって最適な印刷方式は変わります。
ホープンでは、パンフレットや会社案内、DMなど、用途や目的に合わせた印刷方式をご提案しています。
「オフセット印刷とデジタル印刷のどちらがよいかわからない」という場合も、ぜひお気軽にホープンへご相談ください。

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