
「求人票や会社説明会だけでは、なかなか魅力が伝わらない・・・」「せっかく入社してもらったのに、思っていた雰囲気と違ったといって退職してしまった・・・」そんなお悩みをお持ちではないでしょうか。入社後の“ミスマッチ”を防ぐ手段として、今注目されているのが 「採用ミートアップ」です。
カジュアルな雰囲気の中で求職者と社員がフランクに交流できる、このイベントは、転職潜在層へのアプローチや、企業文化のリアルな発信の場として、注目されています。
この記事では、「採用ミートアップ」の基本から、3タイプの開催方法、成功に導く設計ポイントまでを解説いたします。解説する中で、効果的にアプローチするためのMAツールの運用アイデアもご紹介いたします。
採用活動で現状の施策であまり効果的な施策が打ててないの質を高めたい方や、もっと“伝わる”採用のアプローチを探している、人事・採用のご担当者様は、ぜひご覧ください。
◆目次
1.「採用ミートアップ」とは?
「ミートアップ(Meetup)」とは、共通の関心や目的を持つ人々が集まり、カジュアルに交流することを目的としたイベントのことです。元々は趣味や学習などの場として親しまれてきた形式ですが、近年では企業と求職者の“出会いの場”として、採用活動の現場でも注目されており、「採用ミートアップ」と呼ばれます。
特にビジネス領域では、形式ばった面接とは異なり、リラックスした雰囲気の中で企業の魅力を伝えることができるため、企業側はカルチャーや価値観を発信しやすく、求職者はリアルな情報を得られる機会として活用されています。
また、従来の採用手法ではアプローチしきれなかった「転職潜在層」や、「情報収集中の学生」にもリーチできる点が大きなメリットです。企業と求職者がフラットに対話し、相互理解を深めることのできる新しい採用の形として、多くの企業が取り入れ始めています。
2.採用シーンでの「ミートアップ」の特徴
採用活動での「ミートアップ」は、従来の面接や会社説明会とは異なる、フランクな雰囲気で行われる交流型イベントですので、企業と求職者が一方的な情報のやり取りではなく、双方向のコミュニケーションを通じて関係性を築くことを目的としており、以下のような特徴があります。
2-1.面接よりもフランクな雰囲気で行う
ミートアップでは、堅苦しい面接スタイルではなく、雑談に近い形式で会話が進められます。選考を前提としないため、求職者にとっては「話を聞いてみるだけ」の気軽な参加が可能です。
また企業側も、ありのままの姿を伝えることで、ナチュラルな魅力を発信することができます。
2-2.オフィス見学や社員との座談会を含むことが多い
イベントによっては、オフィスの見学や実際に働いている社員との座談会が組み込まれていることも。これにより、求職者は職場の雰囲気や働く人の価値観、日常のリアルな様子を体感することができ、より深い企業理解につながります。
2-3.選考を目的としない“情報交換の場”になる
採用ミートアップの目的はあくまで情報提供と相互理解の促進です。選考を前提としないため、企業にとっては「まだ転職意欲が高くない層」へのアプローチが可能となり、求職者にとっても心理的ハードルが下がります。
そのため、採用ミートアップは求職者にとっての「興味喚起」や「共感形成」を促す有効な施策として、取り入れる企業も増えています。企業の魅力を“人”や“空気感”で伝えることは、ミスマッチを減らす上でも、これからの時代の採用活動でも伝えられるかが重要なポイントになっています。
3.採用ミートアップが注目される4つの理由
多くの企業が採用活動で「ミートアップ」を取り入れる背景には、求人票だけでは伝えきれない“企業のリアル”を、求職者に直接体感してもらうという狙いがあります。
それでは、なぜ今ミートアップが採用シーンで注目されているのでしょうか?以下に注目される理由を4つご紹介します。
3-1.転職潜在層と接点を持つことができる
採用ミートアップは、「まだ転職を決めていない」という層に対しても、企業を知ってもらうきっかけをつくる貴重な接点となります。
選考色が薄いため参加のハードルが低いため、情報収集段階の求職者にもアプローチが可能です。これにより、従来の採用チャネルでは出会えなかった人材と接点を持つことができます。
これは、本格的に転職活動を始めていない“転職潜在層”と早い段階で接点を持ち、企業の魅力を伝えることができるため、将来的な応募を見据えた“囲い込み”のきっかけを作れるという点でもメリットになります。
3-2.応募前に企業カルチャーを伝えることができる
採用ミートアップでは、実際のオフィスや社員との対話を通じて、企業カルチャーを「肌で感じてもらう」ことができます。
企業紹介の動画や求人票だけでは、社内の雰囲気や社員の人柄までは伝えきれないため、こうした体験ができることで、求職者の企業理解や共感形成につながり、応募意欲の向上に繋がります。
3-3.ミスマッチの防止につながる
施策を始める前に、まずは現状を正確に把握することが重要です。定期健康診断の結果やストレスチェック、社員アンケートなどを行い収集した情報を活用し、社員の健康状態や職場環境に関する課題を可視化しましょう。データに基づいた施策を検証することで、適切な課題設定や改善策の立案が可能になります。
3-4.社員のリアルな声を聞くことで信頼感や好感度を高めることができる
イベントに登壇したり、座談会で話すのは実際に働いている社員になるため、求職者にとっては、現場のリアルな声に触れることができる貴重な機会になります。社員の発言や雰囲気から「この会社なら自分も働けそう」と感じてもらうことで、企業への信頼感や好感度も自然と高めることができます。
4.採用ミートアップの3つの型と違い
「採用ミートアップ」は、その形式や内容は様々ですが、ここでは採用ミートアップを大きく3つの型に分類し、それぞれの特徴や活用シーンをご紹介します。
目的やターゲットにより、効果的なスタイルを選択するようにしましょう。
4-1.交流型(カジュアル面談・座談会スタイル)

1つ目は、交流型のミートアップです。交流型の採用ミートアップは、社員とのフリートークや座談会を中心とした、カジュアルなスタイルのイベントを指します。
選考を目的としないため、「まだ転職を考え始めたばかり」という層や、企業に少し興味を持っている段階の学生も参加しやすく、母集団形成(採用活動で、選考対象となる応募者(候補者)の集まりをつくることを指します)やファンづくりに適しています。
開催形式は、お茶会やランチ会といった、リラックスした雰囲気で開催されるケースも多く、参加者の本音を引き出しやすいのも特長です。
主な参加対象:学生(新卒)、転職検討初期層、カジュアルに話したい層 など
主な開催目的:不安の払拭、カルチャーの理解、興味の喚起 など
4-2.説明会型(企業プレゼンスタイル)
2つ目は、説明会型のミートアップです。説明会型の採用ミートアップは、会社説明や事業内容紹介をメインとした、プレゼンテーション中心のスタイルで、スライドやブランドムービーなどの動画を活用して、企業の強みやカルチャーを伝えていきます。
また、参加者からの質問に答える時間を設けることで、理解度と満足度を高めることができます。
応募を前向きに検討している層に向けて、より深い情報を届けたい場合に有効です。
主な参加対象:応募検討中の候補者(新卒/中途)、他社と比較中の候補者
主な開催目的:自社理解の促進、差別化、選考意欲の醸成など
4-3.勉強会型(スキル・業界学習型)
3つ目は、勉強会型のミートアップです。勉強会型の採用ミートアップは、特定のテーマに沿ってノウハウを共有するスタイルです。
エンジニアやマーケターといった専門職との接点づくりや、自社の技術力・知見をアピールしたい場面で有効です。登壇者を現場の社員にすることで、参加者との信頼関係も築きやすくなります。
業界内でのプレゼンス向上や、中長期的な採用ブランディングにもつながる手法として注目されています。
主な参加対象:即戦力人材(中途)、成長意欲の高い学生層
主な開催目的:接点づくり、企業の専門性の訴求、認知・信頼の獲得
採用ミートアップはターゲット層や採用フェーズに応じて柔軟に設計できるのが魅力です。
自社の採用課題や人材ニーズに合わせて、最適な形式を選ぶことで、より効果的な母集団形成やカルチャーマッチを実現することができます。
※カルチャーマッチに関してご興味がある方は以下の記事をご覧ください。
▼「カルチャーマッチ」に関する記事はこちら
人材定着のために「カルチャーマッチ」が重要なのか?用意したいコンテンツも解説
5.採用ミートアップの6つのステップ
採用ミートアップを成功させるためには、事前の設計から当日の運営、そして終了後のフォローアップまで、丁寧に対応することが重要です。ここでは、効果的なミートアップ実施に向けた6つのステップをご紹介します。
5-1.目的とターゲットの設定
まず始めに、ミートアップを通じて何を達成したいのかという目的を明確にすることが重要です。たとえば、「母集団形成」「企業ファンの創出」「カルチャーマッチの促進」など、採用課題に応じた目的を設定していきます。
さらに、その目的に合ったターゲット層(誰に来てほしいのか)を具体化していきましょう。新卒・中途・職種別(エンジニアやマーケターなど)などの分類に加え、転職意欲の段階や志向性を踏まえてペルソナを設計することで、企画の精度が高まっていきます。
5-2.テーマとコンテンツ設計
次に、ミートアップの「テーマ」を決めていきましょう。
たとえば、
•「働き方改革の裏側」
•「現場社員が語るリアルな1日」
•「〇〇業界でキャリアを築くということ」など、ターゲットが関心を持ちやすい切り口は何かという視点で設計することが大切です。
コンテンツは、例えば以下の要素を組み合わせることで効果的な構成になります。
•会社紹介(ブランドムービー)
•パネルディスカッション/トークセッション
•座談会・懇親会形式の交流タイム
•オフィス見学(リアル開催の場合)など
企業のイメージを伝える手段として、近年どの企業も関心をお持ちなのが「ブランドムービー」です。
文字だけではなかなか伝わりにくい企業の魅力を、映像にすることで求職者へより伝わりやすくする効果があります。
もし自社内で準備が難しい場合は、動画制作会社などの外部パートナーの活用も視野に入れるとスムーズです。
5-3.集客と周知
次に、テーマとコンテンツ設計が決まったら、集客のために周知を行いましょう。
企画した採用ミートアップがどれだけ良いイベントでも、来てもらえなければ意味がありません。
ターゲットに届くよう、自社採用サイトや各種SNS、採用媒体、イベントプラットフォームなどを活用して広報を行いましょう。
この時に重要となるのが、ターゲットした「ペルソナ」に響く「キャッチコピー」や「ビジュアル」です。
伝えたい価値がしっかり届くように工夫することで、参加率が大きく変わります。
※「ペルソナ」と「キャッチコピー」についてご興味がある方は以下の記事もぜひご覧ください。
▼記事はこちら
「ペルソナ」に関する記事はこちら
【具体例つき!】ビジネスにおける「ペルソナ」とは?意味や設定方法を知り、マーケティングの精度を高めよう
「キャッチコピー」に関する記事はこちら
事例も紹介!心に刺さる魅力的なキャッチコピーの特徴とは?
また、参加者に事前にブランドムービーや会社紹介資料を、事前共有しておくことで、当日までに参加者の理解を深めることができるのでおすすめです。
5-4.参加受付とリマインド
イベントの申し込み受付は、フォームやプラットフォームを通じてスムーズに行える体制を整えましょう。また、開催前日〜当日にリマインドメールを送ることで、当日の出席率を高めることができます。
このプロセスには、MA(マーケティングオートメーション)ツールの活用がおすすめです。「集客→申込受付→リマインド→フォローアップ」といった一連のコミュニケーションを、全て手作業で対応するのは大きな負担になります。
MAツールを活用することで、たとえば以下のようなことが自動化できます。
• 申込者に対して自動で受付完了メールを送信
• 開催前日のリマインドメールを自動送信
• イベント後のアンケートの連絡や、次のアクションの案内もスムーズに配信可能
MAツールを活用することで、運営負担を軽減しながら参加者一人ひとりに対して最適なタイミングで情報を届けることができ、結果として参加率やエンゲージメントの向上にもつながります。
ホープンは、MAツールの導入設計から運用サポート、コンテンツ制作まで一貫してサポートしておりますのでお気軽にご相談下さい。
5-5.当日の進行
当日は、設計したテーマとコンテンツに沿ってスムーズな進行を心がけましょう。
例えば90分の構成であれば以下のような流れもございます。
【交流型ミートアップの場合】※当日の進行例(所要時間:90分)
1. 受付・アイスブレイク(10分)
• 参加者の受付対応(オンライン開催時はZoom入室確認など行いましょう)
• 簡単なアイスブレイクを実施(例:簡単な自己紹介や質問カードの活用など)
• 堅苦しくない雰囲気づくりを意識しましょう。
2. 企業・社員紹介(15分)
• 会社概要資料やブランドムービーで企業の概要を説明(3〜5分程度)
• 登壇社員の紹介(職種、入社経緯、社内での働き方など)
※ここでは「共感形成」や「人柄重視の紹介」がポイントになるため、“会社説明”ではなく、“雰囲気を伝える”内容にしましょう。
3. 座談会(フリートーク)(45分)
• 社員1〜2名と参加者3〜6名で小グループに分かれてトーク
※以下のようなテーマをあらかじめ提示しておくと話しやすいです。
質問:
・「入社前後のギャップは?」
・「どんな人が活躍している?」
・「仕事で嬉しかった瞬間」など
• 質問が出やすいように、参加者には事前アンケートを取っておくのも効果的です。
• 途中で席替えやグループチェンジを行うことで、多くの社員と話せる機会に。
4. 質疑応答&クロージング(15分)
• 全体で質問を受け付け、社員が自由に回答
• 採用フローや次のアクションについて簡単に案内
• アンケートのお願いと今後のフォローについて説明
5. アンケート記入&自由解散(5分)
• オンラインの場合はチャットやフォームで回答
• リアル開催の場合は会場内で記入 or QRコードで回答
• 担当者が一人ひとりに軽く声をかけて終了
~成功のためのポイント~
• 選考要素を極力見せず「気軽に話せる雰囲気づくり」を徹底
• 社員には“素直な話をしてもらう”ことを事前に共有
• 選考色を出しすぎず、情報提供と共感形成を意識する
• 社員のリアルな声を届けて、信頼感や親近感を高める
• 名刺交換やエントリー誘導は「最後に軽く案内」する程度に留めましょう。
5-6.フォローアップ
イベント後は、参加者へのアンケートを通じて満足度や関心度を確認しましょう。特に反応が良かった方には、個別面談の案内や次のステップへの導線を用意することで、選考につながる可能性が高まります。また、当日の様子をレポートとして採用ブログやSNSで発信することで、採用ブランディングも行うことで、企業の姿勢を伝えることもできます。
6.まとめ
採用活動において、企業と求職者の接点づくりはますます重要になっています。従来の求人票や説明会では伝えきれなかった“リアルな社風”や“働く人の魅力”を届ける手段として、「ミートアップ」を取り入れてみるのはいかがでしょうか。カジュアルな雰囲気で求職者と交流できるミートアップは、共感を生み、エンゲージメントを高める場として注目されています。採用に関する課題を感じている場合は、採用の一つの選択肢として取り入れてみるのも選択肢の一つです。
また、ミートアップの実施にあたり、イベントの概要欄にブランドムービーを掲載する、事業内容を事前に知っておいてもらうために会社概要資料を、イベント告知ページの中で電子ブックを活用して確認できるようにしたり、参加申し込みの完了メールに企業情報を共有しておくなども効果的です。
そうすることで、事前に参加者が企業理解を深めることにつながり、イベント後の接点強化にもつなげることができます。
ホープンは、今回ご紹介しました「採用ミートアップ」の施策で使用できるブランドムービーの制作や、資料や動画の共有や参加者へメール配信などを円滑に行うことができるMA(マーケティングオートメーション)ツールの設計から導入支援までサポートしています。御社の取り組みに合わせたブランディングのためのコンテンツ制作を、企画・撮影・編集までをワンストップでサポートしています。
採用ブランディングについてお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。
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